見えない放射性物質を“見える化” 三菱重工、JAXAとカメラ装置を開発

2012.11.16 07:45

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、目に見えない放射性物質を“見える化”するカメラ装置を共同開発したと発表した。放射線の飛来方向や波長をリアルタイムに測定可能で、セシウムやヨウ素などガンマ線を放出する物質を識別できるのが特徴。三菱重工が今年度内に商用化する。

 開発したのは「放射性物質見える化カメラ」。JAXAが中心になって開発した衛星搭載用のガンマ線検出器技術を高度化し、感度や画像、視野角の機能を高めた。

 20~30メートルの距離から測定が可能で、家屋の屋根や敷地などに飛散した放射性物質の分布状況を、簡単に画像で確認することができる。三菱重工はJAXAのほか、名古屋大学などの協力で、カメラのさらなる感度の向上に取り組んでおり、数千万円程度で売り出す計画だ。

 東京電力福島第1原発の事故を受け、三菱重工は、原発メーカーとして、事故の収束に向けた対応を加速。今月13日には、放射線が高い場所でショベルなどの重機に乗る作業員の被曝(ひばく)量を半減させられる座席シートを開発したと発表した。放射線を遮る効果のある部材を使い、胴体などをおおって、被曝を減らす仕組み。シートの素材にはタングステンを採用。価格は1体当たり数百万円程度の見込み。


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