全日本空輸の伊東信一郎社長【拡大】
全日本空輸の伊東信一郎社長は14日の定例会見で、日中関係の悪化による中国路線の旅客減について、「底を打った感はある」との認識を示した。ただ、「ビジネス需要はかなり戻ってきたが、観光はほとんど壊滅状態」とし、小型化した運航機材を元に戻すなどの正常化は「今後の旅客動向を見た上で考える」と慎重姿勢を変えなかった。
同社の10月の国際線の旅客数は前年同月比2%減の48万3323人で、東日本大震災直後の昨年4月以来、18カ月ぶりの前年割れとなった。欧米路線は好調だったが、中国路線が24%減と大きく足を引っ張ったため。11月の中国路線も10月と同様25%減程度で推移する見通しという。
また、成田国際空港会社(千葉県成田市)によると、成田空港の10月の中国路線の出国者数は前年同月比30%減で、9月(10%減)より減少幅が拡大。夏目誠社長は「残念ながら影響が続くが、年度末に向け回復を期待したい」としている。