【フォーカス】イエローハット(上)
若者の自動車離れや消費低迷の逆風の中、カー用品販売で国内2位のイエローハットが積極的な出店攻勢をかけている。新規出店や買収による同業者の「看板替え」で、今年度末の国内店舗数(計画ベース)は、首位のオートバックスを初めて逆転する見通しだ。
縮小が続くカー用品市場での拡大策にはリスクもあるが、投資効率を高めることができればシェア拡大で持続的な利益を得られる。多角化の失敗による赤字転落で5年前に味わった倒産の危機を教訓に、リスク管理と拡大路線の両立に挑む同社の戦略は業界地図を塗り替えるかもしれない。
回転ずし屋を活用
「自動車販売店やカー用品店からの“転身”なら楽な方。この店舗はもともと回転ずし屋でした」
イエローハットで新規出店の責任者を務める門脇栄・事業開発部長は、まったく様相の異なる2枚の写真を手に店舗物件開拓の舞台裏をこう話す。今年度の新規出店計画は、昨年度の30店をさらに上回る40店。予定通りなら年度末店舗数は560店に達し、オートバックスの年度末計画556店を超える。