関西電力の社員年収、最大2割減も 大幅な人件費圧縮は必至 (1/2ページ)

2012.10.30 05:00

 関西電力が電気料金値上げを申請すれば、同社社員の年収が最大2割程度削減される可能性が浮上している。所管する経済産業省は専門委員会で値上げを査定するなどした上で経産相が認可するが、原価の一部となる人件費について、経産省は社員1000人以上の大企業平均(596万円)を基本としているためだ。東京電力は公的資金を注入されたことで2011年度の平均年収は福島第1原発事故前に比べ23%削減されたが、そこまで厳しくはないものの、大幅な人件費圧縮は必至となりそうだ。

 経産省は今年3月、東京電力の値上げ申請の際に査定基準を策定。省内の専門家会議で査定した上で、消費者庁の意見を聴取するという2段階の手続きを踏んだ。同省は、関電など他の電力会社の値上げ申請でもこの手続きを踏襲する方針だ。

 査定基準では、電力会社社員の平均年収については大企業平均を基本とし、ガス会社など他の公益企業の平均とも比較する。東電の値上げ申請では、公的資金を注入されたとして大企業平均よりも厳しく削ることなどを求められ、11年度は原発事故前の700万円超から約23%も削減された。

 東電以外の電力会社からの値上げ申請について、枝野幸男経産相は「公的資金を受けていることや、原発事故の当事者という要素は入らない」として、東電のような厳しい査定とはしない考えを示している。ただ、関電の場合、大企業平均と、東京・大阪の両都市ガス会社を含めた社員平均から単純計算した平均年収の削減率は13~26%となり、厳しい数字が予想される。