日本触媒事故1カ月、再稼働めど立たず 化学業界の再発防止策が急務 (1/3ページ)

2012.10.30 07:00

 紙おむつ原料の生産拠点である日本触媒姫路製造所(兵庫県姫路市)の爆発事故で全プラントが停止してから29日で1カ月がたった。

 当初心配された紙おむつの供給不足は、メーカーが他の供給元からの代替調達でしのぎ、大きな混乱は起こっていない。ただ、再稼働のめどは立っておらず、日本触媒は生産停止中の米国工場の再稼働を検討するなど、供給対策を急ぐ。化学業界では、同様の事故が相次いでおり、業界をあげた再発防止が急務となっている。

 日本触媒は紙おむつの原料となる高吸水性樹脂(SAP)の生産再開のめどがつかないため、米テネシー州の年間生産能力6万トンの設備の再稼働を検討している。今年6月に米テキサス州に稼働させた新工場と入れ替えで生産を止めていた。

 姫路製造所はSAPとその原料となるアクリル酸の一大生産拠点だけに、紙おむつ生産への影響が懸念されたが、今のところ影響は限定的だ。

 ただ、姫路製造所の再稼働には「1年程度かかる」(花王の沢田道隆社長)などと、事態の長期化も予想される。日本触媒はインドネシアで整備を進めるSAP製造設備(年間生産能力9万トン)のうち、3万トン分を来年3月に先行稼働させる方針も固めたが、姫路製造所の生産能力(年間32万トン)の1割弱に過ぎず、供給不安の解消にはほど遠いのが現状だ。

紙おむつ以外の製品への影響も懸念される

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