EV急速充電規格、日本勢孤立の公算大 米団体が欧米方式採用

2012.10.17 05:00

 米国の規格標準化団体、自動車技術者協会(SAEインターナショナル)は15日、電気自動車(EV)の急速充電規格について、欧米の自動車メーカーが推進している「コンボ方式」を採用すると発表した。日本勢が採用している別規格の「チャデモ方式」は既に実用化されているものの、世界的には通用しない「独自規格」にとどまり、孤立する公算が大きくなった。

 コンボ方式は、日本のチャデモ方式では分けている普通充電のプラグと急速充電のプラグを一体化させているのが特徴で、独フォルクスワーゲンや米ゼネラル・モーターズ(GM)などが採用を決め、この方式に対応するEVを来年以降に発売する方向。ただ、実用化の実績はなく、普及には時間がかかる見通しだ。このため「発言力の強い欧米メーカーが先行する日本勢に対抗する巻き返しの一手として、ごり押しした」(業界関係者)との見方もある。

 チャデモ方式を採用したEVは、既に日産自動車が「リーフ」で約3万7000台、三菱自動車は「i-MiEV(アイ・ミーブ)」で約2万9000台を販売。マツダも10月からリース販売を始めた。充電装置も国内外で約1600基設置されている。

 今後、規格統一が進まない事態となれば、国内勢は海外向けは国内とは異なる仕様で製品化する必要に迫られ、コスト増への対応が課題になりそうだ。