電機各社が、エネルギー供給や消費を効率化するスマートグリッド(次世代送電網)事業で相次ぎ提携戦略を打ち出している。多くの機器や技術の組み合わせが必要なスマートグリッド事業は1社単独で供給するのは難しく、最適化に向けてノウハウの融合が不可欠と判断しているためだ。
薄型テレビなど家電事業の苦戦が続く中、将来性有望なスマートグリッド市場の開拓に向け、提携の動きがさらに広がるのは確実な状況だ。
東芝は、スマートグリッド関連事業で「足りない技術や機器はアライアンス(提携)とM&A(企業の合併・買収)で補う」(佐々木則夫社長)方針を明確に打ち出す。今月3日には仏送電設備大手のアルストムグリッド(AG)と協業することで合意。次世代電力計「スマートメーター」や蓄電池を得意とする東芝と、送電など電力系統システムを世界で展開するAGのノウハウを融合し、相互に連携して新規需要の掘り起こしを目指す。
東芝は昨年7月にはスマートメーター世界最大手のスイスのランディス・ギアを買収しており、買収・提携戦略の強化により2015年度に関連事業で9000億円の売上高を目指す。