東芝と日立造船、JFEスチールなど6社は4日、洋上風力発電事業に共同で参入すると発表した。2015年をめどに実証試験設備を立ち上げ、22年には数十万キロワット級の大型発電設備の建設を目指す。今後10年間の総投資額は1000億円規模にのぼるとみられる。再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度など政府の支援を背景に、採算が確保できると判断した。
事業には3社のほか住友電気工業、東亜建設工業、東洋建設が参画。さらに日本気象協会も加わり、気象状況を調査する。
洋上風力には、海底に土台を作り、その上に発電設備を固定する「着床式」を採用。発電能力が7500キロワット未満の実証試験設備を数カ所に設けて風量や採算性を検証したうえで、中規模の火力発電1基に匹敵する数十万キロワット級の風力発電設備を建設する。
東芝は風車、日立造船が支柱、JFEスチールが土台や支柱用となる鋼材、住友電気工業が海底送電ケーブルを受け持ち、建設2社は施工を担う。
事業化に際しては特別目的会社(SPC)を設立。6社のほかエネルギー関連や地元の企業などからも出資をあおぐ。