新幹線は「自分で走る」時代へ-。JR東海は21日、東海道新幹線の新型車両「N700A」を同社浜松工場(浜松市中区)で報道関係者に公開した。最大の特徴は列車が自ら“考えて”加減速し、ダイヤぴったりに運行する「自動運転」機能の搭載。同新幹線は現在でも年間約12万本の運行で、1列車あたりの平均遅延時間が36秒という“超正確”を誇るが、この36秒を限りなくゼロに近づける車両になる。来年2月に営業運転を開始する。(内山智彦)
約半世紀の新幹線の歴史上「自動運転」機能は初めて。自動運転を可能にするのは、内蔵した「定速走行装置」と呼ぶ独自のコンピュータープログラムだ。
新大阪-東京間約552キロに数キロ間隔で地上に設置されているコンピューター端子から、線路の勾配やカーブ、トンネルの情報を読み取り、自動で加減速しながら区間ごとに定められた最高速度で走る。
通常、新幹線の運転はノッチと呼ばれるアクセルを小まめに操作して規定速度を維持している。カーブや下り坂ではアクセルを緩めて規定の速度に落とし、上り坂では加速操作で速度を保つ。