災害時の緊急連絡用に欠かせない衛星携帯電話の世代交代が一挙に進みそうだ。通信大手3社が相次ぎ新サービスを提供、新たな利用者層の開拓に乗り出したからだ。
従来サービスの端末価格は20万~30万円前後と高価だが、新サービスは8万~9万円と大幅に低価格化。サイズも小型で通信料金も安い新サービスが相次いで日本でも利用可能になり、公共機関を中心に導入機運が高まっている。
ソフトバンクモバイルは来春、同社で初めての衛星携帯電話サービスを開始することを明らかにした。アラブ首長国連邦(UAE)の通信衛星を利用した衛星携帯電話事業者「スラーヤ」の回線を借りて国内向けに現行より大幅に割安な料金体系でサービスを提供する。総務省の免許交付を待ち来年1~2月にも開始したい考えだ。
スラーヤの衛星携帯電話は中東や欧州、アフリカなどを中心に利用されており、08年からアジアもほぼ全域をカバーしている。通常の携帯電話並みの小型端末で、海外で一般的な携帯電話規格「GSM」と併用できるのも特徴。ソフトバンクが国内販売する米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」用に、衛星携帯電話として使えるキットも海外では商品化されている。