2012.8.9 05:00
たばこの新ブランドをアピールするJTの小泉光臣社長=8日、東京都中央区【拡大】
日本たばこ産業(JT)は8日、主力ブランド「マイルドセブン」の名称を、「MEVIUS(メビウス)」に変更すると発表した。健康志向から国内市場縮小に歯止めがかからない中、欧州を中心とした海外展開でのブランド力向上を図る。プレミアム商品として位置づけ、将来的な値上げも視野に入れている。
30年以上親しまれたマイルドセブンの名称変更について、小泉光臣社長は「世界に勇躍するための正しい決断。海外はまだ拡大余地がある」と述べた。米大手フィリップ・モリスの主力ブランド「マールボロ」を超えるのが目標だ。
国内では今年11月にマイルドセブンのパッケージをメビウス用の新しいデザインに替え、来年2月から名称を変更して販売する。海外では今後1年間をめどに順次、切り替えを進める。 新ブランドは160の候補から「MILD SEVEN」のMとSを受け継ぎ、Evolution(進化)のEとV、I(自社)と顧客のU(YOU)との絆を表現した。
JTは2003年、たばこの害を柔らげるイメージのある「マイルド」「ライト」の表示を禁じる欧州連合(EU)での指令に対応し、EU域内でのマイルドセブンの販売を打ち切った経緯がある。佐伯明副社長は「マイルドセブンという名称の意味自体が、海外では分かりにくかった。メビウスの方がブランド名としてふさわしい」とした。
マイルドセブンは1977年に発売され、現在は国内たばこ販売の3割近くを占めるほか、台湾や中国、ロシアなど16カ国で展開している。ただ、海外では99年に買収した米RJRナビスコ社傘下のウィンストンや、キャメルといったブランドの浸透を優先したため、海外展開が遅れていた。