トヨタ車体(愛知県刈谷市)は2日、1人乗りの超小型電気自動車(EV)「コムス」を発売したと発表した。2000年に発売した初代は商用利用が大半だったが、新型コムスは全国のトヨタ販売店の約半数で販売。買い物や通勤など近距離移動向けとして個人需要を開拓し、年間3000台の販売を目指す。
コムスは、家庭用100ボルト電源で充電を終了するまで約6時間。フル充電状態で、約50キロ走行できる。最高時速は60キロで、運転には普通免許が必要になる。価格は66万8000~79万8000円だが、1台当たり最大7万円の国の補助金を受けられる。
国土交通省は、1~2人乗りの超小型車を高齢化社会の新たな交通手段と位置づけ、普及に向けた認定制度を近く策定する予定で、コムスは業界初の認定車となる見通しだ。
初代コムスの販売台数は2200台にとどまっていたが、国交省の普及策の推進などもあり、同日会見した網岡卓二社長は「超小型車が社会に必要とされる時代が来たと感じている」と期待を込めた。また、セブン-イレブン・ジャパンは同日、店舗の商品を一般家庭や事業所などに無料で届ける新サービスの宅配車両として、コムスを導入すると発表。9月までに200台を試験的に導入し、1~2年で3000台に広げる方針だ。