地方の家電量販店を傘下に収め、収益を伸ばしてきた茨城県発祥のケーズホールディングスが新たな経営判断を迫られている。2011年3月期まで64期連続の増収だったものの、家電エコポイント制度と地上デジタル放送への移行による特需の反動で、12年3月期は1947年の創業以来初となる減収を記録。26日には業界5位のビックカメラが7位のコジマを買収し、2位に躍り出た。国内の家電需要がしぼむ中、量販店の再編機運が高まりつつあり、3位から4位に後退したケーズが新たな主役となるとの観測も浮上している。
「がんばらない」路線
5月17日、JR前橋駅にほど近い前橋市のショッピングモール「けやきウォーク」に、ケーズデンキの新店舗がオープンした。売り場面積は約5400平方メートルと既存店舗平均の約1.5倍。豊富な品ぞろえが客を呼び込み、レジには長い列ができた。
「地域最大店を出店し、集客力を高める」。ケーズを率いる加藤修一会長はこう強調する。群馬県は業界トップを走るヤマダ電機のお膝元だが、その戦略に変わりはない。
店舗の大型化は、収益力向上策の柱の一つ。13年3月期の1店舗当たり売り場面積は04年3月期に比べ約2.1倍の3599平方メートルに拡大する見込み。年に約40店のペースで出店を続け、12年3月期末の380店と比べて10年後には店舗数を約2倍に増やす計画だ。