ソニー、CMOS増産へ800億円投資 世界シェア首位の座固める

2012.6.23 05:00

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 ソニーは22日、半導体画像センサー「CMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサー」の増産に向け、2013年度上期までに800億円の設備投資を行うと発表した。画像センサーの生産能力を約3割引き上げ、現在の月産4万5000枚から6万枚へ拡大する。カメラ機能を持つスマートフォン(高機能携帯電話)の普及に伴い、「電子の目」として欠かせない画像センサーの需要が急拡大する中、約4割を握る世界シェア首位の座を固める。

 子会社、ソニーセミコンダクタの長崎テクノロジーセンター(長崎県諫早市)で、高画質の次世代製品「積層型CMOSセンサー」の生産能力を高める。2012年度は国の補助金を含めて450億円を投資する。

 生産ラインの新設に加え、需要が低迷するシステムLSI(大規模集積回路)の一部ラインを転用し、13年4月から増産に乗り出す。熊本テクノロジーセンター(熊本県菊陽町)の生産分と合わせ、CCD(電荷結合素子)を含む画像センサーの総生産能力を同年9月には月産6万枚に引き上げる。

 テレビ事業の不振などに苦しむソニーは、11年度連結決算で過去最大4566億円の最終赤字を計上。業績好転の足がかりにするため、画像センサーに経営資源を優先的に割り振る。

 半導体事業の11年度売上高は約4800億円で、このうち画像センサーの比率は55%だった。12年度は比率を64%に高め、売上高5400億円を目指す。