カーナビゲーションシステム各社が2012年モデルを相次いで発表、夏のボーナス商戦が熱を帯びてきた。今年は「AR(拡張現実)技術」や「大画面化」などの新機軸のほか、スマートフォン(高機能携帯電話)や携帯ゲーム機との連携を図った機種が人気となりそうだ。カーナビ生産は昨年、東日本大震災やタイ洪水の影響で供給態勢が整わなかったが、その後れを取り戻そうと各社とも新機能を目玉にした拡販に力が入る。
カー用品販売大手のイエローハット用賀店(東京都世田谷区)のカーナビ担当、長谷川祥吾氏は12年モデルの特徴について「高機能化と大画面化が大きなトレンド」と説明する。
高機能化の代表格は、パイオニアが7月下旬に発売する「ヘッドアップディスプレー(HUD)ユニット」付きカーナビ(市場想定価格30万~32万円)だ。HUDがAR情報を走行中の車のフロントガラスに映し出す世界初の技術を採用し、「ドライバーは目的地へのルート案内や到着予想時刻などをカーナビに視線を落とすことなく確認できる」(販売担当者)のが最大の特徴。イエローハットでも「製品発表の翌日から問い合わせがあり、すでに予約も何件かある」(長谷川氏)と話す。