三菱ふそうトラック・バスは、従来のディーゼルトラックより大幅に二酸化炭素(CO2)排出量を低減させ、世界最高レベルの燃費性能を実現した商用車向けハイブリッド技術を実用化した。独自のデュアルクラッチ式自動変速機(DCT)とモーターを直結させた世界初のハイブリッドシステムで、燃料消費効率を大幅に改善するとともに、排ガス後処理装置を組み合わせた。この新技術を搭載し、18日に発売した「キャンター エコ ハイブリッド」は、世界で最も厳しいとされる日本の「ポスト新長期排出ガス規制」の基準値よりも粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)を30%低減させた。
変速機とモーターを直結
新ハイブリッドトラックは、2010年に発売した排気量3000ccの過給器付きディーゼルエンジン搭載の新型「キャンター」をベースに開発。車両総重量が3.5~5トン未満、荷室付き2トン積みトラックで軽油1リットル当たりの走行距離が12.8キロと、従来に比べ約10%の燃費向上を実現した。
燃費向上に大きく寄与したのが、独自開発のDCT「デュオニック」とモーターを組み合わせた世界初のハイブリッドシステムだ。
デュオニックはもともと伝達効率が高いという特徴を持つ。今回、この変速機とモーターを直結させたことで、エンジンと独立してモーターが動く仕組みを構築。これにより、最も燃料消費が大きい発進時にモーターで始動する「モータークリープ走行」が可能になった。通常走行時だけでなく、加速時や登坂路走行時など高い駆動力を必要とする場面でもモーターが常にエンジンをサポートすることで、燃料消費量低減を実現したという。