シャープが、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が中国に建設する中小型液晶パネル工場に、独自の高精細パネル技術などを供与する方向で最終調整していることが24日、分かった。3月に資本業務提携を発表した両社の共同事業第1弾となる。
また、シャープとソニーは同日、テレビ用大型液晶パネルを生産する堺工場(堺市)の運営会社へのソニーの出資を解消することで合意したと発表した。
電子機器受託製造サービス(EMS)で世界最大手の鴻海は、液晶パネル工場の建設を四川省の成都に計画。投資規模は1000億円超とみられ、2013年の稼働を目指す。シャープは新工場に技術者を派遣し、高精細パネルや生産ラインの管理技術などを供与。受け取る技術料は数百億円にのぼるとみられる。
液晶生産の先端技術が流出する格好となるが、鴻海との提携関係を深めるとともに、2012年3月期連結決算で過去最悪となる3760億円の最終赤字に転落するなど、低迷する業績の回復につなげるのが狙いとみられる。
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