「丈夫で軽い」。誰もが旅行かばんに求めるこの必須条件を革新のものづくりによって、より高いレベルで満たしたスーツケースが登場し、好調な売れ行きをみせている。老舗かばんメーカーのエース(東京都渋谷区)が、3月から販売を始めたスーツケース「ProtecA(プロテカ)」シリーズの新商品「ラグーナライト」だ。
材料変え重量40%減
スーツケース本体のプラスチック材料を、一般的な「ポリカーボネート」から、自動車バンパーなどに使われている「耐衝撃性ポリプロピレン」に替えることで、ケースの強さを損なうことなく、重量を約40%も削減。機内持ち込みできる容量35リットルサイズで、重さ2.2キロという業界最軽量を実現した。
耐衝撃性ポリプロピレンは、プラスチック樹脂の中で最も比重が小さく、丈夫で軽い。まさにスーツケースにうってつけの材料なのだが、素材の強さゆえに思ったようなデザインに加工しにくいという。
デザインの型枠に流し込む射出成型加工で、自動車部品はじめ、さまざまな分野に応用されているが、型枠を使う分の厚みが出るため、スーツケースでは軽量の特性を生かせず、ほとんど使われていなかった。