ただ、コンボ方式の充電機は製品化されていないうえ、米独8社の足並みは必ずしもそろっていない。「技術的な側面からの切り崩しもまだ可能」(チャデモ協議会幹事)との考えもあり、チャデモ内での意思統一も図れたわけではない。
また、日本のチャデモ採用の再三の申し入れにもかかわらず、中国は結果的に独自の急速充電規格の採用に踏み切った。「規格の主導権争いで揺れ動いている」(自動車大手)状態は当分続きそうだ。
スピード勝負
一方、IT(情報技術)分野にみられるように、規格争いに勝てば少しは競争に有利になるものの、結局は商品化のスピードとコスト競争力で勝敗が決まるケースが増えている。
第3世代携帯電話では規格の「ガラパゴス化」を脱したが、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」上陸を機に、海外製スマートフォン(高機能携帯電話)に、市場を席巻された。
また、テレビの地上デジタル方式では、欧米より後発だった日本方式だが、海外展開では総務省が先兵となり中南米市場などの開拓に成功。しかし、店頭には日本方式の地デジに対応した韓国製品が幅をきかす。規格競争に勝っても、速さと安さで勝てなければ市場を取れない体力勝負の時代を印象づけている。