急拡大が続くインドのデジタルカメラ市場で、日系企業がシェア争いを繰り広げている。なかでも、競争が激しいのがデジタル一眼レフカメラの分野で、日本を代表する大手メーカーのニコンとキヤノンがしのぎを削っている。現地紙エコノミック・タイムズなどが報じた。
2社でシェア9割
現在、同国のデジカメ市場の規模は450億ルピー(約648億円)。コンパクトカメラの300億ルピーに対し、一眼レフは75億ルピーと小規模だが、ここ数年の前年比成長率ではコンパクトカメラの平均40%に対して一眼レフは同100%と急拡大している。
インドではカメラ付き携帯電話やコンパクトカメラから一眼レフへと移行するのが消費者の購買パターンだ。今後、消費者の可処分所得が増加し続けるのも確実視されており、一眼レフの販売もますます伸びると予想されている。
市場調査会社サイバーメディア・リサーチによると、2010年度(10年4月~11年3月)の一眼レフ市場(出荷台数ベース)のシェアはニコンが56%、キヤノンが37%となっており、両社で全体の9割以上を占めた。全体のシェアではコンパクトカメラで強いソニーが27%で首位。ニコン(24%)、キヤノン(15%)と続く。
ニコンの昨年度の売上高は75億ルピーで、今年度は前年度比60%増となる120億ルピーを目指す。15年までに世界売り上げに占めるインド市場の構成比を現在の1%から5%に高める方針だ。
これに対し、キヤノンは11年のインド事業の売上高が152億5000万ルピーで、うちカメラ部門は4割(約60億ルピー)を占めた。15年までにカメラ部門の売上高を250億~300億ルピーに引き上げるとしている。