衣料品のインターネット通信販売で急成長してきた「ゾゾタウン」にブレーキがかかってきた。運営するスタートトゥデイは2012年3月期決算で上場以来、初めて業績の下方修正を迫られた。顧客開拓が頭打ちとなり、低価格衣料との競合が激しくなってきた事情があるようだ。独自の商品検索機能と返品可能、定価販売など型破りの手法で20~30代のファンを集め、この5年間で売上高を5倍以上に伸ばして日本最大級の衣料品専門サイトとなったが、楽天なども同様の手法で衣料品サイトに乗り出している。ネット通販の雄の地位を維持するには新たな成長戦略が求められそうだ。
上場来初の下方修正
「予算が未達成となり、『男の約束』が果たせなかった。皆さんにおわびしたい」。4月27日に都内で開かれた12年3月期決算の説明会で、スタートトゥデイの前沢友作社長(36)は頭を下げた。
前日に発表した決算は、売上高が前期比33.6%増の318億円、営業利益は31.7%増の77億円と一見して好調だ。だが、これは発表直前に下方修正した数字。下方修正は07年12月の上場以来初めてで、売上高は当初目標に対し1.2%減、営業利益は10%減で、サイト内の販売総額を示す商品取扱高も2.6%減だった。会員数や取り扱いブランドの拡大を進めようと低価格商品やセール販売が増加。商品単価が前期比10.2%減の6479円、出荷単価も8.1%減の1万2381円に下落したことも響いた。