家電量販店大手のビックカメラが、同大手のコジマの買収で最終調整していることが分かった。コジマが6月に実施する第三者割当増資をビックカメラが引き受けるなどで、当面株式の過半数取得をめざす。都市部では強いが、郊外や地方では手薄なビックカメラは、コジマを取り込むことで、一気に弱点を克服する。
家電量販業界ではビックカメラは5位。コジマは6位で、買収後は売上高ベースでヤマダ電機に次ぐ、2位の規模に浮上する。家電業業界では、安値競争などで薄利多売の状況が続いており、両社は統合で経営の効率化を進める。
両社は11日午前7時半時点で「報道は当社として公表したものではありません。今後、開示すべき事実を決定した場合には、速やかにお知らせいたします」として、記者会見の時間などは公表していないが、否定的なコメントではない。関係者によると、コジマは11日午後に決算発表を行うため、この件もあわせて発表する可能性が高いと見られる。
コジマは1955年の創業で、2011年3月期連結決算の売上高は4494億円。店舗数は209店。低価格路線で成長したが、近年はヤマダ電機など同業大手に押されて経営は低迷。大手との提携を模索していた。
ビックカメラは群馬県高崎市の発祥で、11年8月期の連結売上高は6121億円。店舗数は東京の池袋と新宿を中心に40店。10年にはパソコン販売のソフマップを完全子会社にしており、こちらの店舗数は別に41店ある。