トヨタ自動車は9日、2013年3月期連結業績(米国会計基準)で、本業のもうけを示す営業利益が前期の約2.8倍の1兆円になるとの見通しを発表した。1兆円の大台乗せは、2兆2703億円を計上した08年3月期以来、5年ぶり。エコカー補助金の復活を追い風に国内でハイブリッド車(HV)の好調が続くほか、北米や新興国での販売拡大で「V字回復」を果たす。
東京都内で会見した豊田章男社長は「着実に利益を出せる体質に改善している」と述べ、商品力の高さやコスト削減による収益力の回復に自信をみせた。
13年3月期の世界販売台数は前期比18.3%増の870万台を計画し、売上高は18.4%増の22兆円、最終利益も約2.7倍の7600億円を見込む。
大幅な増収増益は国内外での積極的な新車投入が支える。国内では「(小型HVの)アクアなどの販売が大きく伸びる見込み」(豊田社長)。海外も北米をはじめ、中国やインドなど新興国でも攻勢をかける。
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