ニンテンドー3DSの売り上げ回復の原動力ともなった「モンスターハンター3(トライ)G」を始め、これまで50本以上のミリオンセラーを送り出しているカプコン。今年10月に発売予定の「バイオハザード6」に代表されるように、同社にはブランドタイトルが多い。ゲーム専用機市場が縮小し、老舗ゲーム会社の合併が進む中、数少ない独立を支える同社のブランド構築力の秘訣(ひけつ)を探った。
2月11日、全国で公開された映画「逆転裁判」。豪華なキャストが並び、大きな話題となった。原作はカプコンの同名タイトルのゲームだ。同社では、シリーズ累計で世界4700万本を売り上げた「バイオハザード」や人気格闘ゲーム「ストリートファイターII」など10本近くが映画化されており、「他のゲーム会社に比べて突出している」(業界関係者)状態だ。さらに、「戦国BASARA」はアニメや舞台に展開、女性ファンを多く獲得している。
このマルチ展開こそがカプコンがゲームソフトをブランド化させるための戦略だ。家庭用ゲームソフトは数年かけて開発しても発売1カ月程度で売り切れば終わりというサイクルで、商品寿命が短かった。一方で、ゲーム機の進化により開発費が増加、発売のタイミングで売れなければ、大きな赤字を抱えてしまうリスクが高まっていた。