インターネット経由でシステム利用やデータ管理を行う「クラウドコンピューティングサービス」が急速に普及、これを支えるデータセンターも急拡大している。これに伴って課題となっているのが、センターの消費電力の増大だ。内部にサーバーなど多くのIT機器を設置するデータセンターは冷却のために多くの電力を消費し二酸化炭素(CO2)排出量も大きい。そこで、ネットワーク大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)が提案しているのが、冷却に外気を取り入れ消費電力を4割削減できるセンターだ。
簡単設置で低コストに増設
外気冷却方式はこれまでも導入されている。2008年9月にはIDCフロンティアがデータセンター「アジアン・フロンティア」(北九州市)で導入。同社は今年9月に開設予定の「新白河データセンター」(福島県白河市)にもこの方式を採用する。さくらインターネットも、昨年11月に稼働を始めた「石狩データセンター」で取り入れている。
ただ、外気冷却方式はあまり普及していないのが実情だ。大量の空気を吸排気するのに大きなダクトが必要になり、既存のビル内にあるセンターに設置するのが困難というのが要因の一つだ。