いまから10年前の2002年、「マイノリティ・リポート」(スティーヴン・スピルバーグ監督)という米SF映画が公開されました。
犯罪を予知・抑止する捜査部隊の登場で犯罪が激減している未来が舞台のSFサスペンス作なのですが、この映画で、トム・クルーズ扮する主人公が、空中に大きく表示されたディスプレー(画面)をジェスチャーで操作する場面が出てきます。
この映画、ちょうど夏休みで訪れていた米シカゴで見たのですが「やっぱり未来のネット技術って、こんな感じになるんだろうな」と妙に感心したのを覚えています。
あれから10年。何とあの映画の場面とあまり変わらないような、ほとんどSFの世界といっていい技術が現実のものになったのです。
空中に投影…AR眼鏡
既にご存じの方も多いと思います。米グーグルが4月初め、人が知覚する現実環境をコンピューターで拡張する「拡張現実(AR)」の技術を駆使して、現実社会とネット社会を融合させる眼鏡型端末を開発。その概要を初公開したのです。
一見すると、右目側の上部に小さなレンズがついた単なるおしゃれ眼鏡ですが、音声による操作で、目の前にテレビ電話の画面が出てきたり、グーグルマップを使った道案内図や天気予報、交通情報などがポンポン飛び出てくるのです。