NEC、最終赤字1102億円 株式評価損などでさらに拡大

2012.4.27 18:42

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 NECが27日発表した2012年3月期連結決算は、売上高が前期比2・5%減の3兆368億円、営業利益が同27・5%増の737億円で、最終損益は1102億円の赤字となった。

 1月にリストラ費用などを含めて1000億円の赤字を予想していたが、株式評価損などが加わり赤字幅が拡大した。

 売上高の減少は、個人向けパソコン事業を昨年7月に中国レノボ・グループと統合したことや、スマートフォン(高機能携帯電話)への出遅れで携帯電話出荷台数が420万台(当初計画740万台)にとどまり、パーソナルソリューション部門で945億円の減収(売上高6610億円)になったことが大きく響いた。

 同部門以外の売上高は、携帯電話基地局の受注増などで1・1%増加した。

 遠藤信博社長は会見で、「2期連続の赤字を重く受け止めている。社会インフラ事業などの重点分野に集中投資し、今年度中に成長の道筋を作る」と述べた。

 今期(2013年3月期)の業績予想は、売上高が3・7%増の3兆1500億円、最終損益は200億円の黒字転換を目指す。携帯電話は新興国などへの展開を強め、500万台の出荷を目指す。