天候不順や気温変化の影響を受けずに野菜や植物を栽培する「植物工場」への参入が広がっている。住宅大手の大和ハウス工業に続き、電機メーカーの日本ゼネラル・エレクトリック(GE)も進出を決めた。東日本大震災で深刻な被害を受けた農地の復興施策としてニーズが高まっているためで、参入企業は新たな多角化事業として期待を込めている。
日本GEは、宮城県多賀城市にレタスなどを生産する植物工場を今夏をめどに稼働させる。震災に伴い生産を縮小したソニーの工場内に設ける。日本GEが発光ダイオード(LED)照明や各種センサー類などの設備関係を手がけ、植物工場ベンチャーの「みらい」(千葉県松戸市)が工場を運営する。日本GEでは同工場の生育状況などを分析し、2013年度の事業化を狙う。
植物工場には住宅メーカーも熱心だ。設備や施工ノウハウが生かせるとの判断からだ。大和ハウスはレタスなどを栽培するコンテナ型野菜工場「アグリキューブ」を今月5日から売り出した。葉物野菜を中心に23種類の野菜を生産でき、リーフレタスであれば毎日30株の収穫が可能。価格は550万円からで、外食産業やホテル向けなどに初年度約1000棟の販売を目指す。
家庭向けの開発を進めるのが旭化成ホームズだ。システムキッチンやリビングの棚に組み込むなどの利用方法を想定しており、今後2~3年以内に事業化する計画だ。