一方、アイフォーン販売を始めたKDDIがその効果を生かし切れなかったのは「ソフトバンクに比べ料金プランが高かったことと、都心部でネットワークの優位性がアピールできなかった」(同)ためとみる。
今年度の携帯市場を占うと、総務省の周波数再編で900メガヘルツ帯を取得したことで、孫正義ソフトバンク社長の「電波改善宣言」も今夏以降、具体化してくる見通し。ドコモに後れを取っていた高速データ通信サービス「LTE」の本格展開も動き出し、ソフトバンクの攻勢は続きそうだ。
一方、3月単月の純増数はアイフォーンの根強い人気が追い風となり、ソフトバンクが60万3000件で、同社としては過去最高。ドコモは3月末でサービスを終了した第2世代規格「mova(ムーバ)」の契約減が約16万件に達し、純増は25万2700件にとどまった。ドコモは、11年度の他社への転出が80万件強となったことで、4月から新規契約者を対象に2年で最大10万円規模の割り引きを導入しており、顧客争奪戦はさらに激化しそうだ。(芳賀由明)