日本EV規格「ガラパゴス化」懸念 欧米勢と充電器標準化めぐり火花 (1/4ページ)

2012.3.29 05:00

  • 試作した電気自動車を発表するシムドライブの清水浩社長=28日、東京都港区

 電気自動車(EV)の充電規格をめぐり、日本と欧米諸国との間で主導権争いが激化しそうだ。政府と業界は日本の規格について官民挙げて国際標準化に乗り出すことを確認、昨年10月に欧米メーカー7社が表明した規格との世界標準を争うことになるためだ。日本勢はすでにEVを商品化した優位性で立ち向かうが、もともと国際規格の標準化では欧米勢の発言力が強いだけに、日本方式が国際的に孤立する「ガラパゴス化」への懸念もくすぶり始めている。

 商品化で先行優位

 「2015年までに国内のEVの急速充電器を現行の5倍以上の5000基に広げる」。日産自動車でEVを担当する渡部英朗執行役員は今月18日、同社のEV「リーフ」のオーナー向けに初めて開いたイベントでこう宣言した。今夏にはリーフに搭載している蓄電池から家庭内に電力を供給できるシステムを実用化する見通しも明らかにした。

 リーフは国内で1万2000台、世界で2万5000台を販売し、EVとしては最も普及している。急速充電器の設置数も、国内で848基と前年同期より5割近く増えたが、「販売拡大にはさらなる整備が不可欠」(渡部執行役員)と拡充を急ぐ。