日立製作所は27日、2015年度をめどに総コストの5%に当たる約4500億円を削減する計画を発表した。割安な海外の原材料の調達拡大に加え、生産拠点や間接部門の集約をグループ全体で加速し、収益力を強化。15年度には営業利益率を10%以上に引き上げ、既に10%を超える米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスなど競合に迫る利益体質の定着を目指す。
日立の2011年度(今3月期)決算は、米社へのハードディスク(HDD)事業の売却益が加わり、連結最終利益は2800億円と過去最高を更新する見通し。
ただ、売上原価と販売費・一般管理費を合わせた約9兆円にのぼる総コストが圧迫して本業の収益力を示す営業利益率は4.2%とライバルの欧米メーカーから大きく見劣りしている。
このため、競合に匹敵する利益率10%以上を生み出す収益構造とするためには、「攻めの合理化が欠かせない」(江幡誠執行役専務)と判断して、大規模なコスト削減に乗り出す。
コストの6割前後を占める調達分野では、グループ間の共同購買に加え、国内製品に比べて2割程度割安な海外製の部品や部材を積極採用する。海外での原材料の調達比率は、14年度をめどに11年度見通しに比べ10ポイント以上高め50%以上に引き上げる方針。
一方、生産面では世界各地に分散する生産ラインの集約に取り組むほか、間接部門についてもITの積極的な活用で運営費の効率化を図る考えとしている。