中国最大のパソコンメーカー、レノボが、中国で生産している法人向けパソコンの一部を日本国内での生産に切り替える方針を固めたことが20日、わかった。納期の大幅短縮と日本市場でのブランドイメージ向上を狙い、NECブランドのPCを生産している米沢工場(山形県米沢市)へ、年内にも移管する。PCの世界生産の9割以上を中国製が占める中、「メード・イン・ジャパン」への回帰が広がることで、国内雇用を下支えする効果が期待される。
米沢工場への生産移管を検討しているのは、レノボブランドの法人向けPCのうち、搭載する機能やソフトを顧客の注文に応じて調整する「カスタマイズ品」。現在は中国で生産しているため納期が約10日間かかっているが、国内に移管すれば最短で3日程度に短縮され、注文への素早い対応が可能となる。
また、輸送中の衝撃などによる初期不良のリスクが少なくなるメリットも期待。さらに、生産ラインの従業員の質や製品の信頼性が高い「日本製」をアピールすることで、法人顧客が重視するブランドイメージの向上も図れる。