グリーとDeNA“反・犯罪”専門組織 「射幸心をあおる」指摘絶えず (2/2ページ)

2012.3.14 05:00

 一方、DeNAは未成年の年齢詐称を防ぐため、5日からソフトバンクモバイルが携帯電話の契約時に取得した年齢情報の活用を始めた。ソフトバンクから提供された情報を、利用者が自己申告した年齢と照合し、食い違う場合に注意を促す。

 同社は18歳未満の利用者に対し、特定の相手にメールを送るといった一部の機能を使わせない措置をとっている。携帯電話会社の協力で年齢認証の精度をさらに高め、少年犯罪の予防などに役立てる。すでにKDDI(au)の情報利用は昨年4月から始めており、NTTドコモとも交渉中だ。

 グリーが450人態勢で不正利用を監視するなど、両社はこれまでにも各種の対策を講じてきた。ただゲームに使われる有料アイテムがくじのように複数から選ぶ仕組みのため、「子供の射幸心をあおる」との指摘は絶えない。2月には、グリーの人気ゲームで使われるアイテムが不正に複製されてネットオークションに出品され、掲示板に複製方法が書き込まれた。グリーは利用規約で複製を禁じているが、規約違反を受けて利用者同士のアイテム交換などを一時停止した。

 今のところこうした不正利用は事業に大きな影響は与えていないが、放置すれば企業イメージの悪化や利用者離れを招きかねない。CSR(企業の社会的責任)の観点からも対策に全力を挙げる構えだ。(井田通人)


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