携帯電話市場最大の商戦期である3月に入り、同じ電話番号で別の携帯電話サービスに移る「番号持ち運び制度(MNP)」をめぐって各社の顧客争奪戦が激しさを増している。
2月のMNPの利用状況は、KDDIが4万3300件の転入超過で5カ月連続首位だったが、同じ転入超過のソフトバンクモバイルが3万9800件と肉薄。販売店では最大5万円程度のキャッシュバックなど他社からの乗り換えを当て込んだキャンペーン合戦が繰り広げられている。
KDDIは昨年8月まで17カ月連続で転出超過だったが、米アップルの人気スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の販売直前の昨年9月から6カ月連続でMNPが転入超過となった。同10月からはMNPで首位を続けている。
MNPはサービス事業者を変えても同じ電話番号を使えることから、事業者を変更しやすくなる制度で、ブランド力のバロメーターといわれている。