家電大手各社が学生や単身者、高齢者など“おひとり様”世帯をターゲットに、高性能な小型家電を相次いで投入している。小型家電は利益が出にくいが、平成27年には2人以下の小人数世帯が全世帯の半数以上を占めるとみられており、各社とも強化に乗り出し始めた。
企業の異動に加え、新入学・新社会人らが新しい生活を始める春は、白物家電の一大商戦となる。三菱電機は2月から、内釜に炭素素材を使用した高級小型炊飯器を発売。家電量販大手の上新電機によると、近年は新社会人など春の商戦でも「ごはんをおいしく食べたい」などのニーズが高まっているという。
同様の小型家電では、パナソニックが単身者向けに開発した小型のドラム式洗濯乾燥機「プチドラム」が販売計画を大幅に上回った。シャープは高温スチームを使ったオーブンレンジ「ヘルシオ」の本体サイズを3割小さくしたコンパクトタイプを昨年発売したところ、全体の売り上げが前年同期の4割伸びたという。特に「独身の若い女性によく売れている」(家電量販大手のエディオン)という。
(次ページ)厳しい環境…利幅見込める白物で一定の収益を