東芝、配信サービスで囲い込み 電子書籍専用端末を来月発売

2012.1.27 05:00

 東芝は26日、同社初の本格的な電子書籍端末を2月10日に発売すると発表した。カラー液晶やインターネット接続機能を搭載する一方、5000円分の電子書籍を購入できるポイントをセットにするなど割安感を前面に出した。東芝は電子書籍の閲覧が可能な携帯電話端末やタブレット端末は販売しているが、本格的な専用端末の発売は今回が初めて。国内の電子書籍市場が拡大の兆しを見せ、ソニーなどの製品投入が相次ぐ中で、配信サービスと端末の両面から消費者を囲い込み、市場をリードする構えだ。

 発売する「BookPlace(ブックプレイス)DB50」は、7型のカラー液晶や無線LANでインターネットに接続できる機能を搭載。ウェブサイトの閲覧中にボタン一つで読みかけのページに戻れる機能も備えた。液晶はタッチパネル操作に対応し、文字の大きさや画面の明るさが指先を使った直感操作で調整できる。大きさは縦190×横120×厚さ11ミリで、重さは330グラム。

 電子書籍コンテンツ(情報の内容)は、東芝がブックライブ(東京都台東区)と提供している配信サービス「ブックプレイスストア」のみで購入できる。端末には小説なら6000冊を収納可能だ。

 電子書籍端末は、米アマゾン・ドットコムが米国で最低79ドル(約6140円)の「キンドル」を販売。日本市場への参入も検討している。

 東芝の端末は想定価格は2万2000円とやや割高だが、カラー液晶を備えるなど高機能化しているほか、5000円分の書籍購入ポイントをセットにしており、同社では「実質的な価格は変わらない」としている。