2012.1.17 09:17
販売用DVDの売り上げが6年連続で前年を下回り、平成23年はピークだった17年の半分を切ることが確実になった。背景には廉価商品があふれるDVD販売の現状と、地上デジタル放送への完全移行でDVDの画質が見劣りするといった事情が絡み、DVDがもはや“コレクターズアイテム”ではなくなったことが浮き彫りになった。
日本映像ソフト協会(JVA)が公表した昨年1-11月のビデオソフト売り上げによると、販売用DVDは1076億円で前年同期比89・5%。売り上げは17年の2622億円をピークに下がり続け、22年には1402億円にまで落ち込んでいたが、23年は12月分を入れても1300億円に届かない見通しだ。
業界誌「DVDナビゲーター」(キネマ旬報社)の林健太郎編集長は、地デジ完全移行でハイビジョンが普及したため「無料でテレビで見られる映画より、有料のDVDの方が画質が落ちるのが根本的問題。昨年後半からの売り上げ落ち込みは、この影響が大きい」と指摘。
(次ページ)発売3カ月後に1枚1000円…売上額ダウン