日本のテレビ存在感薄く 家電見本市「CES」 有機EL、裸眼3Dなど海外勢が攻勢 (2/2ページ)

2012.1.11 22:07

巻き返し必死

 日本メーカーも巻き返しに必死だ。パナソニックの大坪文雄社長はこの日、有機ELテレビを来年度以降に北米などで発売する方針を表明した。ソニーもLED光源の55型新型ディスプレーを出品。有機EL並みの画質で、液晶テレビよりも薄いのが特長だ。

 だが、韓国勢には数千億円規模の大規模投資で開発を進め、猛スピードで新技術を製品に仕上げる「馬力」がある。メリルリンチ日本証券の片山栄一マネージングディレクターは「日本の復活には、韓国企業ができないものをつくる道しかない」と指摘する。

アップル参入

 CESに出展しなかった米アップルが、年内にも本格的なインターネット対応テレビを商品化するとの観測も浮上する。ソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長は「われわれはすでにゲームの最中であり、競争に直面している」と危機感をあらわにする。

 スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末で市場をリードしてきたIT業界の巨人がテレビ市場に殴り込みをかければ、劣勢の日本勢にはさらなる脅威になる。