ホンダが、1960年代に一世を風靡(ふうび)した同社初の軽自動車「N360」の復刻版を来年3月に発売することが、3日わかった。同社は今後、エンジンや車台を一新した新型の軽自動車を「N」シリーズとして展開することを決めている。N360を復活させ、軽自動車巻き返しのシンボルに位置づける。
N360復刻版は、2009年の東京モーターショーで電気自動車「EV-N」として出展したが、今回新たにガソリンエンジン車としてデザインなども変更して発売する。車名は現在検討中だが、N360の当時の愛称の「『Nコロ』も候補のひとつ」(ホンダ幹部)という。
新たに発売するNシリーズは、N360からNの車名を踏襲することで、軽自動車を一から作り直そうという強い意気込みが込められている。第1弾として、12月中旬にワゴンタイプ「N BOX」を発売。これに続くN360復刻版はセダンタイプで、車種の幅を広げるとともに、シリーズのシンボルとして前面に押し出す。
超円高で輸出採算が悪化する中、自動車各社は国内販売の強化を迫られている。ホンダは軽自動車、小型車分野を強化しており、全体の販売金額の7割超えを目指している。