【開発物語】「ミラ イース」ダイハツが誇りをかけて生み出した“究極”の自信作 (2/7ページ)

2011.9.26 05:00

プロジェクトチームの主なメンバー。1年7カ月の短期間開発を達成した=大阪府池田市のダイハツ工業デザインセンター

プロジェクトチームの主なメンバー。1年7カ月の短期間開発を達成した=大阪府池田市のダイハツ工業デザインセンター【拡大】

  • 「ミライース」を発表する伊奈功一社長=20日、東京都港区のホテルグランパシフィックLEDAIBA
  • 世界初となる2トーン一体成形のインパネ
  • エコをイメージした「ミライース」のエンブレム
  • シャーシー担当の平岡雄治課長は、構造の見直しで低コストでの軽量化に取り組んだ

 デザイン以上に変わったのは「燃費性能にかけるコスト」=技術本部の上田亨エグゼクティブチーフエンジニア(50)=だった。

 コンセプトカーは、とにかく燃費性能を重視した。軽量化のために、高価格な高張力鋼板を多用するなど、「軽量化を金をかけて取りに行った。市販すれば130万円程度になる」(上田氏)という。

 しかし、アンケートなどで消費者が軽自動車に求めることが浮き彫りになる。「それは低燃費だけでなく、低価格や使い勝手の良さ」(同)だった。そこで、4ドア、軽のフルサイズ、100万円を切る低価格をコンセプトに仕様を一新することを決めた。10年の初めのことだった。

 新車開発は、通常のフルモデルチェンジサイクル同様に4年程度要するのが一般的とされる。これに対し、イースはデザインコンセプト決定から、今年9月の製品化まで、わずか1年7カ月と極めて短い時間で成し遂げた。他社のエコカー攻勢が強まる中、足踏みは許されなかった。

 この短期間での開発を可能にしたのは、「自己完結型のプロジェクトチーム」(伊奈社長)の存在だ。

 新車開発は商品企画、設計、実験、デザイン、生産技術、営業、広報など、さまざまな部門が関与する。各部門から駆り出される担当者は「実際のところ、各部門所属のままで、自分の所属する部門を向いて仕事をする。この結果、新車開発に最適な環境にならない」(福塚政廣上級執行役員技術本部副本部長)ことが問題だった。

設計段階でデザインや品質にもこだわったことで、総合的によい車に仕上がった

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