彼氏追跡アプリ「カレログ」に抗議殺到 居場所・通話記録が丸見え (1/2ページ)

2011.9.7 08:22

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 誰かに監視されているかもしれない-。特定の相手の行動などを把握できるスマートフォン(高機能携帯電話)用のアプリケーションソフトが登場、批判がサービス提供社側に殺到する騒ぎになっている。

 ストーカー行為に悪用されかねないため、会社側はサービス内容を改善しているが、こうしたアプリに違法性は問えず、法の隙間をついた格好だ。

 問題のアプリの名称は「彼氏追跡アプリ カレログ」。8月30日にサービスが始まった。機能は相手のスマートフォンにアプリを入れることで、現在位置や通話記録、バッテリー残量などを把握できるものだった。

 カレログのサービスは、追跡される側がアプリのインストールに同意することが前提だが、作業がスマートフォン上の画面で完結してしまうため、同意確認が不十分なのが問題だった。

 誰かが、すきを見てあなたのスマートフォンに勝手にアプリを入れ、こっそりと監視する-。こんな危険性があった。

 サービス提供会社には30日夜から、危険性に気づいた人権団体や一般市民からの抗議が殺到。また、コンピューターセキュリティー会社はカレログを不審なプログラムと認定して、自社のホームページで注意を喚起した。

 サービス提供会社は31日、騒ぎを受けてホームページにおわびを掲載。その後、同意確認の徹底などの改善策を打ち出すとともに、通話記録の送信サービスを停止した。

 一方、同社によると、サービスの登録者はすでに数千人に上るといい、ニーズがあることは明らかになった。同社は、サービス自体は継続するとしている。

 また、同社は「他社はうちの動向をみている」としており、改善前のサービスを他社が始める可能性も示唆している。