株主「グループの稼ぎ頭は生保、損保の金融子会社で、前期も今期もソニーは金融子会社によって成り立っている。いつになれば本体がグループ経営の中で営業利益の主役になるのか」
加藤CFO「ご指摘の通り、収益構造を見ると金融事業に依存している。リーマン・ショック以降、改善しているとはいえ、まだ足りないということだと思います。ただ、2010年度は09年度と比べて本業のエレクトロニクスもかなりの押し上げ要因になったことを申し上げたい。できるだけ早く、強固なエレクトロニクス、本業の部分で収益を支えるよう努力していく」
ストリンガー会長「あえてコメントさせていただきますと、震災前には営業利益が3000億円に近づくものであった。それが震災のせいで影響を受けてしまった。弁解ではないが、震災の影響がわれわれの利益構造を変えてしまった側面がある。ただその状況からは回復しつつある。ソニーのエレクトロニクスに対するコミットメントは揺るぎなく、その中心にハードウエアがある」
株主「いろいろなサイバー攻撃が繰り返されている。ソニーが目の敵にされた経緯が報道されていたが、背景についてどのように認識しているのか。わざわざ攻撃の端緒を作ってしまうような言動を抑えるために、どのような対策を取るのか」
ストリンガー会長「私どもが会社の知財権を守ろうと試み、企業としての貴重な資産を守ろうとしたところから出てきたのではないかと思います。われわれはそれぞれのサイトを守るという観点から、最大限の強化、向上を図ってきた」
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