興和・テムザックが新会社 高齢化対応へ小型EV開発

2011.4.4 05:00

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 医薬品や光学機器の製造を手がける興和(名古屋市中区)とロボットメーカーのテムザック(福岡県宗像市)は、電気自動車(EV)の研究開発に取り組む新会社を共同出資で設立した。両社の得意技術を持ち寄り、地球温暖化を防止する低炭素化と高齢化対策がテーマとなる次世代の移動を支える電動マシンの普及に道筋をつける。

 新会社は興和テムザックで、資本金1000万円、出資比率が興和65%、テムザック35%、テムザック敷地内に本社を置く。

 興和は、医薬品や医療機器などの事業活動を通じて蓄積したノウハウを基に、新規ビジネスの育成を模索していた。テムザックが得意とするロボット制御の技術を生かし、二酸化炭素(CO2)を排出しないEVで高齢化対策に適した機種を実用化したい考えだ。

 テムザックは、留守番役として自宅内を移動し異常を感知すると携帯電話に通報する家庭用ロボットを商品化するほか、救命支援や警備向けのロボットを大学と連携して開発した実績をもつ。

 すでに同社は、車いすを利用する身体障害者や高齢者でも手軽に操作できるよう工夫した二輪駆動車「ユニバーサルビークルロデム」の産学共同開発プロジェクトに参画。環境と健康に配慮した福祉車両として、2009年に開発された。

 新会社の最終目標は、公道を走行できる電動式移動マシンの開発・販売。2013年の市販化を目標に、1~2人乗り専用ミニカーを開発する。