《3人目の株主のソニーの現状に苦言を呈し、会場から拍手が起こる》
株主「さきほどストリンガー会長は営業黒字化を達成したと胸を張って言われたが、コアビジネスのエレクトロニクス事業は1300億円ぐらいの赤字だ。金融ビジネスが黒字でトータル営業黒字を達成できたと思うが、エレクトロニクス事業は前年も2000億円ぐらいの赤字。ソニーは金融会社ではない。社外取締役の方はどう責任を感じているのか」
担当役員「たしかにコアビジネスは赤字だ。ただ、金融が2000億円ぐらいよくなる一方で、コンシューマービジネスも1000億円ぐらい改善し、基調としてはいい方向に向かっている。赤字の理由は、為替と価格下落の影響。特にテレビ関係の価格下落は1兆円の売上に対し、二千数百億円ぐらいが価格下落でもっていかれる。デジタルカメラも同様で、価格下落にコストダウン効果が追いついていない。しかし、今年は競争力のあるテレビでよくなると思うし、ゲームも2009年下期は黒字になっている。PS3のコストと売値の逆ざやも第4四半期で解消し、今年はいけると思う」
ストリンガー氏「私どもは現在、アナログ時代からデジタル時代への移行の渦中にある。難しい状況にもかかわらず、新経営陣は大幅なコスト削減を実施してきた。為替の問題もあるなかでも、めざましい変革を遂げ、3D、インターネットテレビを打ち出し、創業者が思い描いたコンテンツとハードウエアの融合を達成しつつある」